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愛と仕事と金

幻のダイエットのプロ、過酷な生活

ダイエットのプロ

あらゆる業界にプロフェッショナルがいます。野球、サッカー、ピアノ、ヴァイオリン、営業、マネジメント、作家、全てのプロはそれでメシを食うと言われますが利益の一切を排除し体を酷使し世界に闇を伝え続けるプロがいます。
あなたはダイエットのプロと言われる人を見た事があるでしょうか。彼、彼女たちはあらゆるダイエットの効果を試しメディアが世間に流さないその危険性や辛さを伝え続けています。しかも本人たちがそれを名乗る事はなく常に極秘に生きているのです。

今回はそんな人たちのはなしです。あるプロに密着した時の話をしましょう。

彼らの1日

テレビを見るとダイエットで20キロくらいの変化は当たり前のように出てきます。もし私が20キロも落とす事になれば病院に入る事になるでしょう。また激しい動きや食事は体に非常に大きな負担となります、一歩間違えればそれもまた病院にお世話になるでしょう。つまりダイエットとは常に戦いであり危険と隣り合わせなのです。
そんなダイエットにいかに取り組んでいるのでしょうか。

 情報

世の中は情報にあふれています。その中からダイエットに関する情報にいち早く反応するためテレビやインターネットの閲覧は欠かせません。朝起きてから寝るまでずっとその情報をチェックに費やす事すらあるといいます。普通であれば少し外に出ようと思うような状況でも誘惑に負けずひたすら情報とカロリーを摂取する。そうプロにとって情報はカロリーと同義なのです。

 テスト

カロリーと情報を十分に得たプロはそれらをテストし始めます。いつも通りの顔おをして情報から選び抜かれた食材や行動を決め実行するのです。この時大切なのは自制心との戦いです。いかに自制心を押さえ込み欲望に身をまかせるのか、これついて聞いてみるとプロは「いつも通りです」とはにかみながら答えてくれたがどれだけ大変な事であるかは誰にでもわかるだろう。
バナナ3房を決めたプロは何時もより遠い道を選んで自宅へと帰った。今回は少し遠回りをする事とバナナによるダイエットという事らしい。それ以外は全く何もしない。それこそが提唱されているダイエットへの誠意だとプロは言う。ほとんど場合ダイエットには「だけでいい」といいう言葉が付いている。プロはそれを忠実に守るのだ。なんという意気込みだろうか。なんという意志だろうか。私はこの時少し浮かべた涙を見せまいとトイレに入ったことを思い出す。

抵抗勢力

ダイエット期間中の数日後私はある飲食店にいた。最近話題になっているパンケーキ屋だ。まさかプロはパンケーキを食べると言うのだろうか。しばらくコーヒーの冷めるのを眺めながらそんなことを考えているとプロは私の前に座ると同時に「食べ飲み放題2つ」と軽く言ってのけた。私がコーヒーしか注文していないことを瞬時に見抜き、お尻が席に着くかどうかというタイミングで注文までこなす身のこなしに私はしばらく言葉を失いプロを見ていた。
まる二時間いつものようにはにかんだ笑いを時折見せながらプロは食べ続けた。あいまあいまに食べ放題に含まれているカレーを少し食べるのがいいのだという。まるで大食いのプロでもあるかのような食べることへの工夫であるが、その前に確認せねなならないことを思い出し何故ここにきたのか聞いてみた。
「だって普通に過ごすことは突発的な欲求にも答えないと」そしていつものはにかみである。そう普通に暮らしていれば今日あれ食べたいなとか腹一杯食べたい気分のようなものもある。それら全ての欲求に応える事はプロにとって逃げる事のできない義務なのだ。

体を酷使する復元

そうしてダイエット期間を超えたプロは再びいつも通りの生活に戻る。いや戻すのだ。ダイエット期間に食べていなかったものを摂ることで体への栄養の配慮も忘れない。しかし減っていようとなかろうとこの儀式のような復元作業は行われる。それはとても内臓に負担のかかることである。しかしそれはプロにとっては試したダイエット方がそれだけの効果があったのだとダイエット方に対する報いらしい。つまり場合によっては試す前よりも増えることになる。それも仕方ないとはにかむプロは少し寂しそうにもみえた。

取材を終えて

プロに密着してわかったことは全てのダイエットに対して敬意を持っているということ、そして体を常に酷使して挑んでいるということだ。特に依頼されたわけでもない、報酬があるわけでもないそんな戦いにダイエットのプロは挑んでいる。そのプロの姿を見てこの現実を少しでも感じて欲しいと改めて感じた。

密着後お礼を兼ねて食事に誘うと今は赤身ダイエット中だからと焼肉屋で8人前の赤身を注文するプロの姿があった。いつものはにかんだ笑顔と共に。



最後に全くディスる気も無いし無いし、いつもダイエット言ってる人を可愛いなと思いながら見ています。ただ体調には気をつけてくださいね。

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