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愛と仕事と金

人生が変わる人間関係の作り方 その2

建前と本音と善と悪

 人は嘘を付く。これだけ聞くとどうも人は悪いもののように思えると思いますが、実際に自分がどれだけ悪いことを言ったと思っているでしょうか。同じ様にこいつは嘘をついたと思った時、相手はどれだけ悪意を、責任を持ち合わせているでしょうか。

武士の奉公 本音と建前: 江戸時代の出世と処世術 (歴史文化ライブラリー)

言葉の不思議

 最初のポイントは言葉は共通しないということ。日本語は日本語であっても人に拠って全ての言葉は別ものであると思わなければいけません。もし全ての相手の言葉を外国語だと思うことが出来るなら、言葉の行き違いが気分を害したり争いに発展することはありません。

 海外の人が目の前にいて「ばかやろーこのやろー」と言われたらあなたは怒るでしょうか。場面によるというのはあっても、ほとんどの場面では怒らないはずです。それは言った人がどういう意味でその言葉を言っているのかをじっくり考えるからです。

 馬鹿と言われて烈火のごとく怒る場面と笑って済ませる場面があります。これも同じく相手や状況を自分で感じ取った結果です。

罪を生んだ優しさ

 気軽に好きと言い好きと言い返す。ところがそこに恋愛感情は無かった。実際に会った話ですが、よく見かけることでもあります。片方は何ということもなく、ただ好ましい人であると思って言ったのに、返ってきた言葉には違う感情が混じっている。

 結果として気もなく言ったほうが引っ越しをしなければいけない事になりました。 逆に軽く受け取ったはずが付き合いを了承したようになって揉めることもありました。

 これは悪意もなく、誤解が生んだことです。中にはわざとそういう方向に持っていく人もいますし、好意を持たれることが嬉しかったり楽しかったりで依存的にそうしている人もいます。

 こういった言葉のやり取りで注意しなければいけないのは今相手を傷つけるかどうかではなく、相手を次に進めることができるかどうかです。前者は好意を断るのに避けることは出来ません。しかし相手が次に進んでくれなければ気持ちは増大し成長し傷を深め範囲を広げ被害を大きくすることになります。

 こういう判断を避けるのは断り下手優しすぎるなどと言われることもありますが、完全に関係づくりが未熟な子供だと言ってしまっていいでしょう。今まで自分から振ったことがないなんていうのもこういう危険をはらんでいますね。

言葉にも吐いた人にも悪はない

 色々な罪を産む言葉たちですが、基本的に人も言葉も悪意をはらんでいません。

 保身だったり逃げだったりする言葉はたくさんありますが、別にそれが悪いことではないんです。誰だって怖かったり逃げたかったりします。

 大事なことは受け取る言葉を慎重に消化すること。もちろん言う側に回る場面だってあるわけですから、言う言葉にも慎重さが必要です。

 だからといって何も言わず何も聞きたがらないのは退化ですけどね。

オンナの[建前⇔本音]翻訳辞典 (扶桑社文庫) (扶桑社SPA!文庫)

建前と本音

 日本人は表裏があるのか。よく聞く言葉です。日本人は建前と本音があり、外国人はストレートである。

 全くそんなことはない

ということは十分に注意しておいてください。国も性別も時代も関係なく、人は建前と本音を遣い、その言葉には表も裏も必ずあります。

 そして表と裏とか建前と本音というのは善悪とは別だということも十分に咀嚼しておく必要があります。

 最後に、秘密というのも嘘や本音と同等に扱われていますが、それも無駄な心配です。全てを同じ様に誰かに言うというのは難しいことですから誰に対しても言わないことの10や20はでてくるでしょう。

 そんな誰かのあるかないかわからない裏を探るよりも自分の言葉を磨いて付き合いを良好にすることが万倍の価値を持っています。